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#16 新規事業について(2016年8月号)

おかげさまを持ちまして、食肉科学技術研究所は平成28年5月24日に定期総会が無事終了し、6月から平成28年度の事業をスタートしています。
今回のコラムでは今年度予定している新規事業をご紹介いたします。
☆☆精度管理事業☆☆
食肉製品製造施設の試験検査室で実施される食品検査は、得られた検査結果が信頼できることが求められており、信頼性保証の取組みが重要となります。そのための代表的な方法として精度管理が挙げられますが、一部の事業者は、自らが標準試料を作製して行う内部精度管理及び外部の機関が作製した標準試料を用いて行う外部精度管理が実行されつつある一方で、多くの事業者は、内部、外部ともに精度管理が十分に実施できていないと思います。また、企業の規模に関わらず、検査担当者は前任者から引き継いだ検査方法によって検査しているケースが多く、そのやり方が適切かどうかを確認する機会がほとんどないのが現状ではないでしょうか。
そこで、当研究所は2つの精度管理事業を実施することにいたしました。

2つの精度管理事業の内容はPDFをご覧ください。

これらの事業については、今年度は(公社)日本食肉協議会の助成を受けて実施する運びとなりましたので、参加費の負担が軽減されます。この機会に是非参加してみませんか。スケジュールが決定次第ご案内いたします。

☆☆出前講習☆☆
食品事業者の、主に品質管理、品質保証に携わる主任クラスの方々に向けての講習を計画しています。現在は大学でも微生物検査の培養法を学ぶ機会が減ってきていると聞いていますので、食品微生物の特徴、制御の方法をお話し、さらに食中毒の発生状況、食肉製品製造における工程ごとの衛生管理のポイントなどを具体的にご説明いたします。
また、HACCP導入に際して重要となる、食肉製品製造におけるハザード分析を中心にお話させていただきたいと思います。
これらの講習実施に当たっては、主任クラスの方々が全国から東京までお越しいただくことが難しいこともあろうかと思いますので、日本ハム・ソーセージ工業協同組合の全国10支部ともご相談し、支部単位でお集まりいただき、こちらから講師が出向く“出前講習“の形式で実施することを計画しています。時期は、繁忙期を避け平成29年1月~3月を予定していますので、こちらも是非ご参加いただきたいと思います。

☆☆食品を取り巻く行政情報等に関するゼミ☆☆
すでにご案内のとおりですが、公衆衛生行政、食品安全基本法、食品衛生法、食品表示法、健康増進法の逐条解説をするゼミを開催いたします。少人数でのゼミですので、質問しやすい雰囲気で参加いただけると思います。
講師は、食肉科研森田理事長が務めます。厚生労働省生活衛生局乳肉衛生課長、東京検疫所長など食品衛生行政の経験だけでなく、他の食品業界で起きた事故事例を交えて皆様の疑問にお応えいたします。また、当研究所の“信頼性確保部門”の最高責任者の立場から、品質保証のあり方、不測の事態が起きたときに企業が取るべき対応についてもお話させていただきます。申込みを受付けておりますので、ホームページでご確認ください。

これらの事業を通じて食肉加工業界全体が衛生管理、検査精度や検査技術をレベルアップすることで、消費者の信頼をさらに高めていく一助となればと思います。
当研究所は、皆様の身近な検査機関として、皆様のお役に立てるよう事業を進めてまいります。ご要望などがごさいましたら是非お聞かせいただくようお願いします。


文責:一般社団法人 食肉科学技術研究所
専務理事 猪口由美